校庭の芝生化

芝生

芝生の校庭を造ろうという試みが全国各地の学校で着実に広がっているようです。
Jリーグ百年構想の中に「あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設を作ること」というのがあるけれど、Mr.ピッチが提言していたことの主幹はこれだったのですね。大変申し訳ないけれど今頃になって気付きました。芝生の公園を増やすことの活動なんだとばっかり。
正直なところ、学校の中に芝生の校庭なんて頭の片隅にも思い浮かばず、あり得ないことと思っていました。自分が子供の頃は「学校の校庭は土のグラウンド」というのが当たり前でしたし、高校のときなんて校庭がコンクリートだったんです。芝は管理が大変だし、私立の、それも裕福な学校くらいにしかできやしないだろうと。
ところが、平成9年度より文部科学省から校庭の芝生化への補助が行われるようになり、いまではなんと、全国で1200校以上の学校の校庭に芝生が広がっているのだそうです。全体からすると、まだまだほんの数%程度に過ぎない割合みたいですが、これが本当に急速な広がりをみせているのだとか。ちなみに、東京都はヒートアイランド対策に効果があるとして2005年度に10億円の予算を計上しています。
校庭が芝生化されることで、生徒には体への負担が減り、転んでも怪我をしにくくなります。休み時間に教室に残るのではなく、原っぱと化した校庭で元気良く走りまわる生徒も増えるでしょう。土のグラウンドとは違い、芝生の校庭にはバッタやトンボがやってくるかも知れません。教育の機会には最適です。石灰でラインを引けなくなるのではないか?と疑問に思いましたが、石灰は芝の養生に影響を与えることはないのだそうです。石灰の代わりに、小さなカラーコーンをラインの代わりにポイント配置する方法もあり。まあ、足で地面に線を書くことが出来なくなるから、天下取り(田んぼ?)とか出来なくなるだろうけど。六虫はできるかな?(笑)
当然ですが、芝生の管理には膨大な費用と手間が不可欠です。国や自治体の補助金があるといっても、それは初期投資だけ。養生やメンテナンスを専門業者や管理者だけにまかせてしまうのでは、永く芝生を維持管理していく上であらゆる面において困難です。そこでいま、多くの学校が、地域を巻き込んでこの活動を推進し成功しています。学校、保護者、地域が一体になって、ボランティアや支援金を募り、永続的に芝の養生に関わっていきます。芝の張替えの時期には皆で芝ロールを巻き、芝生を長持ちさせるために皆で考える。自分たちの街の、自分たちの学校の、自分たちの芝生という考えを持って取り組んでいく。校庭の芝生化によって、一番大切な地域のコミュニティが育まれていくというわけ。これは素晴らしい事だと思いますね。是非とも日本全国の校庭を芝生に変えていってもらいたいものです。
 
参考:NPO法人 芝生スピリット