手を使っての反則

今シーズンから、手を使っての反則を厳しく取るようになったのは周知のことですが、それについての明確な判定基準が知りたいです。見ていて訳がわからない。どこまでがダメなの?ひょっとして全部ダメなの?という疑問。
この2節のジャッジの傾向をみたところ、従来の手を使った悪質なファウルは当然としても、ちょっとした接触プレーまでもが確実にその対象になっているように思う。たとえば、セットプレーの競り合いなどで、手を使って少しでも相手を押さえるとファウル。ドリブルの競り合いで、ボールと相手の間に入る為に手を使って進路を遮ったプレーはファウル。ポストプレーで縦パスを受けるときにも、両腕で相手DFを抱え込むようにしてしまうとファウル。…その他にもあらゆる場面で昨年までとは違った不可解な笛が吹かれたケースがあったと思うけど、レフリーが過敏にそのプレーに対してのジャッジを下しているように見えて仕方がない。軽く手で遮っただけのプレーがファウルとなり、一歩間違えば選手が怪我をするような激しいプレーを流されたりでもすれば、「これってどうなのよ?」と感じてしまうのは当たり前。
手を使ったプレーについて何でもかんでもファウルとすることが、果たして日本サッカーの本当の狙いなのでしょうか。…なんか違うと思うのです。
おそらくは、これまでの「手を使ったプレー」に対してのJリーグのジャッジが、国際基準と比べるとかなり甘かった(のだと思います)ということで、ルール基準を国際基準に合わせていきましょうというのが一つの目的なのでしょう。そして、その狙いは、国際試合で不用意なファウルで笛を吹かれないようにして日本サッカーを強くしたいという想いがあるのでしょう。「JリーグではOKでも、世界ではファウルだよ」というプレーをなくすことで強い日本代表を作り、魅力ある自国リーグを育てていくことが本当の狙いであるはず。
ルールブックに従えば、手を使ってのプレーは間違いなく反則である。しかし、だからといってその全てをファウルにすることが、本当に自国リーグの発展、および国際試合で戦う日本人選手のためになるのでしょうか。身体接触の激しい国際舞台で日本人が戦っていくための激しさや、外国のリーグでの激しいプレーに耐える守備力はどうして鍛えていけばいいのでしょう。なんだか、本来の狙いと逆行している、本分を見失っているのではないかと危惧してしまうのです。
まずは、ジャッジの明確な判断基準を観客に明らかに説明してほしい。それでないと、納得し安心して試合を見ていられないし、魅力ある国内リーグの育成のための妨げにさえなってしまわないかと。私は、応援する選手に対しても、「手で押さえられたら審判の笛を期待するようなプレー」をするより、「そんなものは平然と跳ね飛ばしてしまうくらいの逞しいプレー」をしてくれる選手に育ってほしいと思います。