健康診断

2週間くらい前の話題なんですけど、「健康診断」で実施されている代表的な24の検査項目のうち、肝機能検査や心電図測定など多くの項目は、病気の予防や死者の減少という視点では有効性を示す根拠が薄いとの評価結果を、厚生労働省の研究班がまとめました。これまで当たり前のように受けてきたものが自分自身にとってこれほど意味のないものだったとは・・・。

◆有効性について厳しい評価をした主な項目◆
・一般的な問診 (明確な証拠はない)
・視力検査 (勧めるだけの証拠はない)
・聴力検査 (勧めるだけの証拠はない)
・身体診察 (明確な証拠はない)
・聴診 (明確な証拠はない)
・腹部診察 (ほとんど証拠がない)
・心電図測定 (虚血性心疾患の発見には無意味)
・胸部X線 (肺がん発見に有効との証拠なし)
コレステロール検査 (コレステロール低下には役立つが心筋梗塞(こうそく)予防に有効との証拠なし)
・肝機能検査(GOT、GPT、γGTP) (実施の意義を再検討すべき)
・尿検査 (糖尿病発見には不適切。腎不全などを防ぐ証拠はない)
・血球数など  (有効性を示唆する十分な証拠はない)
C型肝炎検診 (判定保留)
B型肝炎検診 (判定保留)

思わず苦笑してしまいますが、とりあえず殆ど全部、無意味だったということ。「血圧の測定」と「飲酒」、「喫煙」に関する問診は効果を示す十分な証拠があるみたいですけど。
もうひとつ問題なのは、この健康診断に対して年間9000億円近くに上る税金が投じられていたということ。この発表により、無駄な経費を削減しようとする動きがあるのはわかりますけど、だからといって半ば無理やりに企業による健康診断を排除しようとする方向性には賛同できない気持ちがあります。医療機器をあつかう立場にいる身として、健康診断で結核が見つかることも結構いると聞いていますし、肝機能検査は意味がないという結果ですが、肝炎が見つかったりすることも決して稀ではないはずです。将来的には強制的にこれを受診させる必要はないかも知れないですが、完全に排除するのではなくて、これを必要とする人にむけてはいつでも税金が投じられるように方向付けされなければいけないと思います。