出産当日

立会い出産のため、分娩室に案内されました。助産婦さんの話では、23:55に破水をしたとの事。
「もうすぐ生まれますよ!今夜はグッスリ眠れますね」
分娩室と聞いて、分娩台のようなものをイメージした方も多いと思うので説明しておきますが、ここの産院はフリースタイルでの出産を奨励しているんです。床にはマットが敷いてあり、一番楽な体勢で産めるようになっていテ、陣痛の最中に足踏みをしたり、スクワットをしたり、四つん這いになったりと様々。大体は考える余裕がないので、助産婦さんの指示通り立ったり座ったりする訳なんですが、最終的には旦那さんがあぐらで座り 頭を膝に乗せて産む、のが一般的なようです。
汗ビッショリの妻の元へ。タオルとペットボトルの飲料水を持ってきて励まします。
「が、頑張って!」
NST(産道と赤ちゃんの心音を計測する機械)のモニターは、絶え間ない陣痛の波形と心音を表示してます。そして大きな波形!今まで聞いたことのない大きな叫び声!握り締めた手には爪の痕!
「まだイキんじゃだめですよー」
助産婦さんのアドバイスをもらい、痛みをそらす呼吸法。
「フーッ…フーッ…フーッ…」
涙を流しながら頑張る妻。
「凄い!もう少しで生まれますよ!!」
助産婦さんに誉められてニコリと一瞬の余裕を見せる妻。こんな事を繰り返し、あっという間に1時間が経つ。

あぐらをかいて頭を膝に乗せての例の出産体勢へ。
「降りてきてますよー!あとちょっとで頭が見えます♪もうイキんでいいですよー!」
助産婦さんの言葉を合図に思いきりイキむ妻!手を握り、汗をふき、何故か一緒にイキむ自分…(気持ちはわかりますよね)。こちらからは見えないけれど、どうやら頭の先端が出たり入ったりする直前の様子。息を最大に吸いこんで止め、力が続く限りにイキむ。息を吸い込む時に頭が引っ込んでしまうので、できるだけ長い時間イキみ続けなければいけない。
「ウーン!!……………ハーッ、ウ、ウーン!!………ハッ、ハァ…」
この繰り返しである。
「もうちょっとですよー」
みんなの励ましの声に頑張る妻。そして45分が過ぎ…。

午前1:47
「オギャ!、オギャ!」
か細い産声を上げて長男が誕生!…で、でかい!(驚)。小さめの枕くらいの大きさが?物理的にこの大きさで生まれてくるのが不思議!体重は3256g、元気な男の子!
出産っていうのは本当に大変なこと!立会いをして初めてその重大さを知ることができました。生まれた直後は赤ん坊よりも妻の顔に目をやった。
「よく頑張ったね、ありがとう!」
すぐに妻の胸の上に乗せられた赤ん坊は「グスッ、グスッ」と羊水を吐き出しながら泣く。助産婦さんが長いチューブ状の吸入器を使ってそれを手伝う。私はというと、先生からハサミを渡される。「お父さんの初仕事です」といわれ、へその尾を切らせてもらう。…ゴリッ、ゴリッという感じ、意外と堅い。なんとか上手に切れました。落ち付いたところで、デジカメで1枚だけ写真を撮る。
ここで赤ん坊は産湯に入るために新生児室へ。妻は胎盤の後産などのために分娩室に残る。
「お父さんは、親御さんにご連絡でもして来て下さい」
という事で、産院の外に出て電話。30分位して新生児室のある産院の2階に戻る。先生が出てきたので、まずはお礼を言う。…ところが!
「お父さん、ちょっとお話が…」
先生に連れられて新生児室に入ると、ここで大変な告白を受けることになってしまう…。