FC東京クラブサポートメンバー

2010 FC東京クラブサポートメンバー発足及び会員募集開始のお知らせ
オフィシャルから1口千円からのクラブサポートメンバーの詳細が発表されました。
多数の青赤ブロガーさんがこれに触れており、twitterでも「#FCT_CSM」というハッシュタグで様々な意見交換がされているので、その関心の高さが伺えます。フロントの皆さんはぜひとも一度目を通していただきたい。
個人的な感想としては、「ターゲット層が非常に曖昧である」と感じました。
「10万人のクラブサポートメンバーを集める」というその目標は素晴らしいもので、サポーターの一人としてはこれに賛同し、力強く後押しをしていきたい考えではあるけれども、その目的が「1億円を集めること」なのか「10万人のサポートを得ること」なのかがいまいちピンと来ない。クラブサポートメンバーの強化対象が「ユースの活動費補助」という一点であることも疑問視する。ビッグフレームスの改善形、進化形として考えるならば、それは極めて順当な考えではあるけれど、果たしてそれでいいのか。ビッグフレームスはビッグフレームスで残し、新たに別の会員制度として立ち上げるほうが良かったのではないかと思います。
「1億円を集めること」だけが目標ならばそれでいい。しかし、真の目標は「10万人のサポートを得て、さらにその先にあるサッカー産業を育成し牽引していく」ことにあるはずである。一般支持層に対しての裾野を広げてまずは注目度を上げることが最も大切なことで、その中からスタジアムへ通い続けるファンが生まれる。足しげく通っているうちにサポーターになり、SOCIOやビッグフレームスが誕生し、彼らはチームとしての財産になるはずだ。
最も裾野が広い一般層を対象に「ユースの活動費補助」という名目で支持を集めることは非常に困難なはず。一般人は「は?」である。よっぽどのコアなファンにまでならないと、そこで何かをしようとは考えないのではと思う。なので、名目は率直に「チームの強化費」で良いのではなかろうか。それに問題があれば、ビッグフレームスを残せばいい。
また、1口千円からの各々の特典についても、再考すべき点があるのではと感じている。

<1口>
SU指定席招待 (申込抽選制)、選手カード、会員限定グッズ販売、フェアプレイフラッグ旗手(申込抽選制)、お宝グッズ抽選会、青赤ユース通信(Web)

<2口>
1口の特典に、G2チケット(1枚)、青赤通信(年2回郵送)が加わる。

<5口以上>
G2チケット(3枚)
2口の特典に、入会記念グッズ、ロッカールーム見学 (申込抽選制)、ピッチ練習見学 (申込抽選制)が加わる。

<10口以上>
従来のビッグフレームスの特典である交歓会への参加、限定グッズの販売、オフィシャルページへの名前記載など。

5口以上や10口以上のターゲットは、おそらく従来のSOCIO会員、または相応の支持層であると思う。そこに新規層を期待するのはなかなか難しいことだろう。
2口、ライトなファン層や一般観客層をターゲットにしたるのがこのラインだろう。年間数試合を観戦に来るか来ないか、あるいはテレビ中継のみでスタジアムに来たことがないファン層も含まれるかもしれない。そういった彼らにとって、2口のクラブサポートメンバーに加入すれば、前売券と変わらない金額でG2チケットを入手することができ、さらに特典もついてくることになる。これはお得だ、きっとスタジアムが賑やかになるに違いない!…と私は単純には思わない。この制度が広く浸透していれば、あるいは思惑通りに成功を得るかもしれない。私もそうあってほしいと思うが、現実的には「Jリーグ」という興行そのものは、残念なことに一般市民の多くから興味の対象外にあるのだ。限られたパイの中で何かをやろうと思っても、事態は大きく変わらない。
<2口><5口><10口>は良い。私が最も大切だと思うのは、1口メンバーのターゲット。Jリーグにあまり興味のない一般市民層をそのターゲットとして、彼らをいかに振り向かせるか、その意識の片隅にいかに存在し続けていくかにあると考えている。極端に言えば、1口メンバーの彼らには必ずしもスタジアムへ来てもらうことを期待しないのである。もちろん、いつかは足を運んでもらう可能性のある大事なお客様だ。例えば3万人の1口メンバーのうち、1割でも2割でもスタジアムを訪れてくれれば成功への一歩である。彼らの中からリピーターが生まれ、将来のSOCIO、ビッグフレームスが生まれるに違いない。将来的に5万人、7万人、10万人と1口メンバーが増えたそのときは、彼らはチームを支える磐石な礎となっているだろう。新規層を獲得する上で、底辺を広げることを無視してはならない。まずは彼らをこちらを振り向かせることが重要で、さらに翌年も翌々年も継続して支援したくなる魅力を与え続けることが必要不可欠だ。
彼らは必ずしもスタジアムへは来ない。だから、入場者特典をいくら増やしたところで興味の対象にはなりえない。例えば、どこのサポーターでもないサッカー好きの友達を誘うなら、2口メンバーになるように誘えばいいのだ。なぜなら、その友達はすでに2口メンバーのターゲットだから。せっかく1口千円から加入できるのだから、もっと裾野を広く考えたい。例えば、商店街のおばあちゃんや、定年で会社勤めをリタイアしたお父さんはどうだろう。私が思うに、彼らこそ1口メンバーのターゲットである。「東京にJリーグのチームがあって、千円ではあるけれど私はそれを支持している」、そんな少しの気持ちを持ってさえくれればいいのだ。会員限定グッズ販売や選手カードなど、おそらくどうでもいいに違いない。会員証を発行して名前を入れる、ときにはチームの情報を定期的に入れる。彼らにとって、ちょっとした新しい生きがいにでもなってくれれば。商店街の買い物カードにFC東京のデザインを入れたタイプにしてもいいかも知れない。サッカーは好きだけど代表の試合をTVで見るくらい、スタジアムへ足を運んだことはない。そんな彼らもターゲットだ。特定のJリーグチームを応援することがない彼らは、あるいは海外サッカーくらいには多少の興味を持っているかも知れない。「FC東京という本気で世界を目指しているチームがあって、その成長を支えてほしい。たった千円から」。彼らには、ちょっとのプライドを与えてあげるのはどうだろう。会員証に「○○様のご支援のおかげで頂点を目指しています」とでもあったら。きっと友人や知人に自慢したくなるんじゃないだろうか。EDYPASMOWAONみたいなクレジットカード類と提携するのも面白いかも知れない。生活の隅にこっそり青赤、みたいな。
とにかく、現状の1口の特典だけを見ると、そのターゲットがどこにあるのかがなかなか見えてこない。ずらずらと昨日の夜中に寝ぼけながら書いた上記のたとえ話は置いておくにしても、もう少し「我々が1口メンバーを誘いやすい仕組み」を作ってもらいたい。繰り返すけど、それは普段は試合を観ない一般層を1口メンバーにしていくことが、「10万人」のキーになると思っているから。
 
<追伸>
上に書いたこととはまったく別だけど、試合に勝ったら1口ずつ加入したり、誰かのゴール数基金みたいに1口ずつ増やしていくのも、個人的にはありかなあと思っています。